日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
ケトーシス発症乳牛の酸化ストレスマーカーと血液生化学性状
芝野 健一下タ村 幸薫伊藤 めぐみ千葉 暁子滄木 孝弘小野 哲嗣山田 裕
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2021 年 74 巻 1 号 p. 59-63

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抄録

本研究では,北海道内の1酪農場に飼養されるホルスタイン種経産牛24頭のうち,分娩後ケトーシスを発症した12頭(ケト群)と発症しなかった12頭(対照群)を供試し,血中酸化ストレスマーカーと血液生化学性状を調査した.採血は両群ともに分娩前10~14日,分娩翌日,分娩後15日に実施した.分娩後15日の血中ヒドロペルオキシド,βヒドロキシ酪酸,非エステル型脂肪酸濃度,及びグリシン/アラニン比は,ケト群が対照群に比べて有意に高かった(P<0.05及びP<0.01).血糖値,メチオニン/グリシン比は,ケト群が対照群に比べて有意に低く(P<0.05),エネルギーに加えてタンパク質不足が推察された.以上より,移行期のケトーシスは脂質の過酸化が進み,ヒドロペルオキシド濃度が増加するため,酸化ストレスが関与している可能性がある.

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© 2021 公益社団法人 日本獣医師会
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