日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
外眼部疾患の馬から分離された細菌に対するロメフロキサシン及び選定された眼科用抗菌薬のin vitro 抗菌活性の比較
日高 修平小林 光紀安藤 邦英多田 健一郎西田 由美
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2021 年 74 巻 9 号 p. 547-552

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抄録

外眼部疾患の馬から分離された45菌種120菌株に対するロメフロキサシンのin vitro抗菌活性を評価した.同時にオフロキサシン,ゲンタマイシン及びクロラムフェニコールについても試験し,比較した.ロメフロキサシンの90%の菌株が発育阻止される最小発育阻止濃度(MIC90)はグラム陰性菌で2μg/ml,グラム陽性菌で4μg/mlであった.他の3つの抗菌薬と比較すると,グラム陰性菌に対する抗菌活性はオフロキサシン及びゲンタマイシンと近似した成績で,クロラムフェニコールよりも優れていた.グラム陽性菌に対する抗菌活性はオフロキサシン及びゲンタマイシンより劣り,クロラムフェニコールと同等であった.ロメフロキサシンの抗菌活性はその薬物動態からいずれの細菌に対しても臨床的には十分なものと思われ,他の3つの抗菌薬と同等以上の効果をもたらすことが期待された.

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