2021 年 74 巻 9 号 p. 576-581
著者らは,新潟県で豚から分離されたS. Rissen(26株)について,他地域の豚由来株(5株),人由来株(10株)及び飼料原料由来株(1株)との関連性を検討した.豚由来S. Rissenに関しては,新潟県の株と他地域の株は遺伝的に近縁であることから,他地域の養豚場に定着したS. Rissenのクローンが,その後,新潟県の養豚場に侵入したと考えられた.人由来S. Rissenは起源の異なる2グループと考えられ,一つは豚由来株と遺伝的に近縁で薬剤耐性パターンが豚由来株と一致したことから,人のS. Rissen感染源の一つは保菌豚由来のS. Rissenに汚染された豚肉と考えられた.今回検討した飼料原料由来株は豚由来株とPFGE型も薬剤耐性パターンも異なり,供試豚のS. Rissen感染と当該大豆油かすは無関係と考えられた.