日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
銀杏中毒を疑った犬の1例
藤 将大有田 汐紗太田 貴子冨永 博英平川 篤杉山 伸樹
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キーワード: , 銀杏, ビタミンB6
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2023 年 76 巻 11 号 p. e304-e308

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抄録

14歳10カ月齢,去勢済雄のイングリッシュ・コッカー・スパニエルが,嘔吐と四肢の振戦を主訴に夜間救急動物病院を受診した.来院時は起立不能及び意識は傾眠状態で,稟告及び吐物の内容によりイチョウ種子である銀杏による中毒を疑い,入院管理下での治療を開始した.ビタミンB6製剤の投与や対症療法を行い,治療開始9時間後には意識状態の改善並びに自力での歩行が可能になるまで回復した.治療開始11時間後に退院とし,受診11カ月後現在までに症状の再燃は認められず,良好に経過している.

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