日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
木曽馬における初のHalicephalobus gingivalis 感染症例
綱 亜莉沙池田 光宏倉田 渚住吉 俊亮松村 有祐木庭 猟達近藤 広孝渋谷 久
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2023 年 76 巻 11 号 p. e309-e312

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抄録

関東圏にて飼育されていた17歳齢,去勢雄の木曽馬が活力低下,食欲廃絶,及び四肢強直や眼球振盪などの神経症状を呈し,起立不能となって死亡した.剖検時,両側腎臓,及び胃小弯部に灰白色結節が認められた.病理組織学的に,脳,両側腎臓,及び胃において,多巣性かつ無秩序に分布した肉芽腫性炎が認められた.いずれの病変内においても,ラブディティス型の食道を有する幅約20μmの線虫が多数混在していた.線虫の形態学的特徴,及び抽出された28SリボソームRNA遺伝子のシーケンスの結果,線虫はHalicephalobus gingivalisと考えられた.これまでに日本在来馬における本症の発生報告は見当たらないため,日本在来馬の保護のため,より注視する必要がある.

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