2023 年 76 巻 8 号 p. e187-e192
2017年から2020年にかけて,北海道内の3つの農場からと畜場に搬入された豚において関節炎型豚丹毒の発生が多く認められたため,本研究では,各症例で分離された豚丹毒菌株60株が野生株かワクチン株かを調査した.血清型別PCR法,spaA の配列比較,一塩基変異を利用したワクチン株判定PCR法では58株がワクチン株と同じ性状を示した.また,そのうちの22株を全ゲノム解析し,すべてがワクチン由来であると明らかになった.ワクチンを接種しているにもかかわらず豚丹毒の発生がみられる農場では,ワクチン由来の発症も想定しながら防疫計画を検討する必要がある.