日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
道内産めん羊における志賀毒素産生性大腸菌及びサルモネラ属菌の保有状況
稻田 和也大野 祐太石田 祥士清水 俊一本郷 健雄
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 77 巻 2 号 p. e14-e20

詳細
抄録

めん羊における志賀毒素産生性大腸菌(STEC)とサルモネラ属菌の保有状況を明らかにするため,と畜場に搬入された北海道内で飼育しためん羊の糞便を調査した.STECはめん羊の直腸便60検体を検査し,19検体(31.7%)から21株,また,サルモネラ属菌はめん羊の直腸便103検体を検査し,34検体(33.0%)から36株を分離した.STECの血清型のほとんどは型別不能だったが,国内外においてヒトへの病原性が知られるeae遺伝子,stx1遺伝子を保有するSTEC O103:H2が分離された.また,サルモネラ属菌は血清型の多くは血清型Ⅲb 61:−:1,5,(7)であり,Salmonella Typhimurium単相変異株のS. enterica 血清型4,[5],12:i:−やS. Rissen,S. Derby,S. Newportも分離された.今回の結果から北海道内で飼育しためん羊はSTEC及びサルモネラ属菌を保有することが明らかとなり,牛や豚などの他の家畜同様にと畜処理時にめん羊の糞便を介し,と畜場や枝肉を汚染する可能性が危惧された.

著者関連情報
© 2024 公益社団法人 日本獣医師会
前の記事
feedback
Top