神奈川県食肉衛生検査所で過去15年間に発見された牛の末梢神経鞘腫瘍(PNST)7例の病理学的特徴を解析した.その結果,6例がホルスタイン種,1例が黒毛和種で,平均月齢は144カ月であった.肉眼所見では,腫瘍は胸壁,心臓,縦隔,腕神経叢,肝臓,膵臓,副腎,腹大動脈に認められた.6例では腫瘍は多中心性に発生し,一部で半透明ゼラチン状を呈していた.組織所見では,腫瘍はいずれも神経鞘腫の組織像が主体であり,一部で神経線維腫の領域も認められた.半透明ゼラチン状の腫瘍は主にAntoni B型の領域(B型)からなり,牛の神経鞘腫でもB型が主体となりうることが明らかとなった.また,腫瘍細胞の核内に空胞が認められた.免疫染色では,神経鞘腫の腫瘍細胞はS-100にびまん性に,神経線維腫の腫瘍細胞は散在性に陽性を示した.