日本獣医師会雑誌
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シェトランド・ポニー種雄馬の精巣, 副生殖腺ならびに精子についての一観察例
森 純一富塚 常夫劉 甦高橋 敏治
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1982 年 35 巻 7 号 p. 405-408

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抄録

シェトランド・ポニー種の雄馬1頭を屠殺解剖し, 精巣, 精巣上体, 精管膨大部, 副生殖腺ならびに精子について観察を行い, 次のような結果を得た.
1) 精巣重量は左側38.2, 右側31.09で, 左側の方が大きい値を示した. 左右重量の比率は左100に対して右81.1であった.
2) 精巣は卵円形で割面の色調は暗灰色であった.
3) 精巣上体重量は左右平均で10.29であり, 精巣重量の294%に相当した.
4) 精管膨大部の大きさは左右平均で8.3×1.2×1.0cmであった.
5) 精嚢腺, 前立腺, 尿道球腺の大ぎさは, 左右平均でそれぞれ4.9×3.1, 3.5×2.5×1.4, 2.5×1.8×0.7cmであった.
6) 精子は精巣上体精子について観察したが, その大きさば頭長7.2土0.9, 頭幅3.9士0.1, 尾部長49.4士1。4, 全長56.6士1.3μ で, いずれも尾部に細胞質滴が認められた.
これらの計測結果を普通馬でこれまでに報告されているものと比較すると, 精巣, 精巣上体, 精管膨大部, 副生殖腺はいずれも体格と同様に小さい値を示したが, 精子の大きさについては普通馬のそれと著しい差異が認められなかった.

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