日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
子豚の大腸菌性下痢症に対するトリメノール散の応用
酒井 健夫原島 成留佳
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 38 巻 2 号 p. 93-97

詳細
抄録

スルファジメトキシンとトリメトプリムの配合剤であるトリメノール散 (TA-068) を子豚の大腸菌症に応用し, 以下の成績を得た.
大腸菌を人工感染した子豚を用いた基礎試験で, TA-068を300~500mg/kg/日, 3日間投薬することにより治癒効果を認めた. 野外応用試験では, 14腹74頭の発症豚と同腹54頭の未発症豚にTA-068を3~5日間投薬したところ, 100mg/kg/日では治癒率37.5%, 予防率89.5%であったが, 300mg/kg/日および500mg/kg/日では治癒率91.9%, 90.5%, 予防率はともに100%であり, いずれも高い治癒・予防効果を認めた.
薬剤感受性試験で, TA-068は下痢便から分離された大腸菌に対して高い薬剤感受性を示し, とくに他の抗菌薬剤に耐性を示す菌株に対しても高い感受性を示した.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top