日本獣医師会雑誌
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38 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 池本 卯典
    1985 年 38 巻 2 号 p. 73-90
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 酒井 健夫, 原島 成留佳
    1985 年 38 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    スルファジメトキシンとトリメトプリムの配合剤であるトリメノール散 (TA-068) を子豚の大腸菌症に応用し, 以下の成績を得た.
    大腸菌を人工感染した子豚を用いた基礎試験で, TA-068を300~500mg/kg/日, 3日間投薬することにより治癒効果を認めた. 野外応用試験では, 14腹74頭の発症豚と同腹54頭の未発症豚にTA-068を3~5日間投薬したところ, 100mg/kg/日では治癒率37.5%, 予防率89.5%であったが, 300mg/kg/日および500mg/kg/日では治癒率91.9%, 90.5%, 予防率はともに100%であり, いずれも高い治癒・予防効果を認めた.
    薬剤感受性試験で, TA-068は下痢便から分離された大腸菌に対して高い薬剤感受性を示し, とくに他の抗菌薬剤に耐性を示す菌株に対しても高い感受性を示した.
  • とくに臨床試験成績について
    黒川 和雄, 多川 政弘, 江島 博康, 滝山 昭, 相見 和宏, 鷹取 正良, 沢田 めぐみ, 下沢 章夫, 渡辺 正俊, 田中 喬一, ...
    1985 年 38 巻 2 号 p. 98-102
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ミルベマイシンDについて, 犬糸状虫の感染予防効果を知るために, 昭和58年4月から59年5月まで, 臨床的な投与試験を行った. 対象犬は, 診療施設10カ所 (名古屋市1, 東京都9, いずれも犬糸状虫症の常在地) に上診した犬糸状虫の住血子虫陰性犬92頭 (いずれもおおむね健康) である. ミルベマイシンD (100倍散) をゼラチンカプセルまたはオブラートに封入して, 犬の体重1kg当たり0.1gを, 昭和58年4月から12月まで, 月1回あて経口投与した結果, 初回の投与で嘔吐 (3回) を見てその後の投薬を中止した1例を除く91頭では, 全例とも試験期間中, 毎回容易かつ安全に投与され, とくに副作用の発現がなかった.また, 翌59年2月から5月までの血液検査では, 全例とも住血子虫は陰性であり, この種の物質で臨床的にはじめて犬糸状虫に対する感染予防効果のあることが明らかにされた.
  • 牛白血病ウイルス伝播の可能性
    石原 忠雄, 中島 英男, 南 哲郎, 及川 博幸
    1985 年 38 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    小型ピロプラズマ病の発症予防法として, 感染血液の計画的接種法が効果的とされているが, 牛白血病ウイルス (BLV) などの病原微生物の人為的伝播の危険性がある. そこで, 1968~1979年に本法が実施された21カ所, 延べ37試験地の試験牛304頭の経過血清について寒天ゲル内沈降反応によってBLV抗体の推移を検討した. その結果, 供血牛の血液を摘脾した実験牛に接種して迷入ウイルス, 細菌, 原虫等の否定試験を行って作製した試作ワクチン接種群と血液非接種群では抗体の陽転率が低く, 両群間にはほとんど差がなかった. しかし, 上記以外の血液接種群では接種後の舎飼期および放牧期の陽転率が高率であった. また, BLV汚染地と考えられる舎飼地では, 血液接種とは無関係に抗体陽転牛が認められた.
  • 松原 利行, 太田 宏一, 中井 正久, 佐々木 文存
    1985 年 38 巻 2 号 p. 108-112
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年6月から9カ月間にわたり, わが国の諸地域の主に動物病院で蒐集した猫血清について, 猫汎白血球減少症ウイルス (FPLV), 猫鼻気管炎ウイルス (FRTV), および猫カリキウイルス (FCV) に対する抗体分布を調査した. また, 猫以外の動物を宿主とするウイルスとして, 犬パルボウイルス (CPV), 犬パラインフルエンザ5ウイルス (CPI5V), 犬ジステンパーウイルス (CDV), 日本脳炎ウイルス (JEV), および豚インフルエンザウイルス (SIFV) に対する抗体保有の有無を調べ, 猫に対する感染性を推測した.
    これらの調査結果から, 猫のウイルス性疾患としては, FPLVに対する抗体保有率が全体として61.5%であり, しかも調査地域のすべてにおいて同程度であることから, 本病は全国的に分布しているものとみられる. また, FRTVに対しては17.3%で各地とも陽性率は低く, まったく抗体の存在がみられない地域も存在した. FCVは血清型が異なる3株を抗原とした場合, 74~77%の保有率で株間に差異はみられないが, 全国的にこのウイルスの浸淫を認めた. これらの3種類のウイルスの単独あるいは混合感染について, FPLVまたはFCVの単独感染例はそれぞれ6%および26.7%であり, これらの2種あるいは3種の重複感染例は58.3%と高率を示した. 性別・品種別については有意差がなかった.
    他動物を自然宿主とするウイルスに対する抗体保有率は, CPVがFPLVとほぼ同程度であり, かつ抗体価も同レベルを示したことは, 両者の共通抗原性を示している. しかし, CPI5V抗体が1地域に限定して高率に存在したこと, CDV抗体が低率ながら認められたことは注目される. いっぽう, JEV, SIFV抗体は全例とも検出できなかった.
  • 臼井 良一, 宇賀神 源一, 長 茂, 早乙女 温三
    1985 年 38 巻 2 号 p. 115-117
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ニトロブルーテトラゾリウムテスト (NBT test) が牛および豚の疾病の検査に応用可能か否かを検討した. ヘパリン加末梢血液10滴と0.1%NBT溶液8滴とをプラスチックスピッツ管内で混和し, 牛は12分, 豚は14分間37℃ で反応させ塗抹染色 (Wright-Giemsa) 後, 好中球のホルマザン顆粒陽性率を顕微鏡下で算定した. その結果, 好中球の陽性率は牛伝染性鼻気管炎で低下し, Haemophilus somnus感染症およびその他の細菌感染症では15%以上に上昇した. また, 豚では豚コレラでは低下し, Pasteurella感染症およびHaemophilus感染症では15%以上に上昇した.
  • 与斉 篤, 小島 克弘, 渡辺 定行, 飯倉 只之, 宮本 善夫, 石川 幸男, 大月 義則, 鈴木 昇
    1985 年 38 巻 2 号 p. 117-121
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1976年12月に同一牛舎で難治の乳房炎が続発し, 多数の乳牛の乳汁から緑膿菌が検出された. 分離した緑膿菌の血清型はII群B型およびIII群G型であった. さらに, 屠殺した1頭の牛の乳房炎罹患分房の肉芽様組織および乳房炎陰性の分房組織から緑膿菌が検出され, その血清型は乳汁と同型であった.
  • 佐藤 良彦, 望月 明義, 平澤 博一, 太田 俊明, 古畑 敏夫, 両角 吉三, 東條 博之, 高田 俊也, 早川 源水
    1985 年 38 巻 2 号 p. 122-125
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1983年11月, 松本市の肥育牛飼養農家において, 北海道から約12カ月齢の黒毛和種34頭を導入した.
    導入後16日間に6頭が死亡した. このうち3頭はとくに症状を示さず急死し, 他の3頭は呼吸器症状を呈し, 4~5日の経過で死亡した.
    急死牛1頭を剖検したところ, 小腸に高度な出血がみられ, 病理組織学的には, 小腸粘膜の壊死と, 肝に小壊死巣が多数見られた. 細菌学的検査では, 腸内容から有毒株のClostridium perfringens A型菌が109.3個/g分離された. 寄生虫学的検査では, 腸内容から少量のコクシジウムオーシスト (Eimeria bovis) が検出された. ウイルス学的検査は陰性であった.
    以上の成績から, 本症はC.perfringens A型菌が関与した壊死性腸炎と診断された.
  • 6. 消毒薬の薬理作用とその使い方 (その2)
    松本 治康
    1985 年 38 巻 2 号 p. 125-128
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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