日本獣医師会雑誌
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正常馬における血清トコフェロールの変動
松本 知之一条 茂小西 辰雄
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1985 年 38 巻 4 号 p. 239-242

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抄録

正常馬の各種の生理的条件下での血清トコフェロールの変動について検討した. 血清総トコフェロールは年齢・性別および日内変動における時刻での差異は認められなかった. 2才以上の馬での舎飼期 (11~2月) と放牧期 (6~10月) における血清総トコフェロールは, 舎飼期が166±65.4μg/100ml, 放牧期が216±63.4μg/100mlで, 舎飼期において有意な低値を示した. とくに, 舎飼期の供試馬の9%(8/88例) は100μg/100mlを下回る低値を示した. 成馬での季節変動では, 血清総トコフェロールとα-トコフェロールはともに冬期と春期に低く, 夏期と秋期に高い傾向がみられた.
分娩前後の血清総トコフェロールの変動では, 分娩1~2週間後に低下する傾向を示した. 新生子馬の血清総トコフェロールは出生直後 (哺乳前) に最低値 (210±45.5μg/100ml) で, 哺乳後増加して3日後に最高値 (907±232.4μg/100ml) となった.

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