日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
犬消化管内寄生虫に対するFlubendazoleの駆虫効果と安全性
野田 周作堀江 牧夫山崎 保彦
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 38 巻 5 号 p. 291-297

詳細
抄録

Flubendazoleの犬消化管内寄生虫に対する最少有効量の検討と安全性試験を実施した

犬回虫 (剖検例6頭, 臨床例28頭), 犬鉤虫 (剖検例13頭, 臨床例47頭), 犬鞭虫 (剖検例19頭, 臨床例56頭) 寄生犬にFlubendazole 5.0~30.0mg/kgを投与し, 5mg/kgごとに群別して駆虫効果を比較検討した.
剖検例では6~7日後まで毎日排泄虫体の種類と性別を鑑定し, 剖検後は残留虫体の有無をしらべ駆虫率を算出した. 臨床例では投薬後5~34日目に後検便を行い効果を判定した.
その結果, 犬回虫に対しては10.0mg/kg1回, 犬鉤虫には10.0mg/kg連日2回, 犬鞭虫には15.0mg/kg連日2回の投薬が最少有効量と思われた.
安全性試験では1頭当たり, 250, 500mg/kgをそれぞれ1回, 9頭ずつの犬に投薬し, 7日間一般所見, 血液理化学的検査, 尿検査を実施した. その結果, いずれの量においても著変はみられず, 安全な薬剤であると思われた.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top