日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
牛の胎児心電図の誘導部位
佐藤 敬草場 治雄五十嵐 幸男鈴木 達行河田 考司
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 41 巻 6 号 p. 394-397

詳細
抄録

分娩の2ヵ月前から2日前までの乳牛 (神奈川県下と福島県下のホルスタイン種) について, 胎児心電図を57頭, 過排卵牛と分割卵移植牛の双胎児心電図を10頭それぞれ記録した. その結果,
1) 母体の第4腰椎と対側の腹壁下縁を上下軸とする双極誘導と, 第4腰椎下で膝関節をよぎる水平線との交点を左右軸として, 腹壁上から双極誘導するとき, 胎児心電図の記録率は77%と92%で, これより誘導点が遠ざかるにしたがい記録率は下がった.
2) 得られたQRS波は前記誘導点で高い電位が示され, 最高は上下軸の誘導点で85μV, 左右軸の誘導点では94μVに達した.
3) 双胎例についても単胎例の誘導点と同様に誘導記録した結果, 上下軸, 左右軸いずれかの誘導で, または双方の誘導で双胎児の心電図が記録された. しかしながら, 1例は上下軸の誘導点または左右軸からの記録もともに単胎心電図が記録され, 単胎児と診断したが後日双胎児が出生した

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top