日本獣医師会雑誌
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1983年~1986年に豚から分離されたPasteurella multocidaの薬剤感受性
岩松 茂向原 要一沢田 拓士
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キーワード: , 薬剤感受性
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1991 年 44 巻 5 号 p. 478-481

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抄録

1983年~1986年にかけて長崎県下の豚の肺病変および鼻腔から分離されたPasteurella multocida 143株の11種類の抗生物質に対する感受性を測定した.
その結果, 多くの株がペニシリン (PC), アンピシリン (ABPC), テトラサイクリン (TC), オキシテトラサイクリン (OTC), クロラムフェニコール (CP) およびチアンフェニコール (TP) に高い感受性を示したが, アミノグリコシド系およびマクロライド系抗生物質には中程度から低い感受性であった. いっぽう, 薬剤耐性株は18株 (12.6%) 検出され, うち2株が6剤耐性 (PC, ABPC, TC, OTC, ストレプトマイシン (SM), カナマイシン (KM)), 1株が2剤耐性 (TP, SM), 残りの15株がPC, OTC, CPおよびSMなどの単剤耐性であった. 薬剤耐性株の出現頻度は葵膜血清型A型 (9.9%) よりもD型 (27.3%), あるいは出血性壊死毒素産生陰性株 (9.9%) よりも陽性株 (27.3%) において高かった (P<0.05).

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