1991 年 44 巻 7 号 p. 696-699
牛の奇形心 (卵円孔開存は含まない) 43例中44例に二次口欠損型心房中隔欠損 (ASD) が認められた. 欠損はすべて二次口または卵円窩に位置していた. 静脈洞欠損型, 冠状静脈洞欠損型および単心房型ASDは認められなかった. 44例中8例はASD単独心奇形, 36例は他の種々な心奇形との合併心奇形であった. 8例のASD単独心奇形の子牛は心外奇形, 腸炎または内臓破裂等のため, 58日齢までに死亡または剖検されていた. これらの子牛には剖検時にうっ血性心不全の所見は認められなかった. ASDの牛44例中22例には心外奇形が合併していた. ASDの発生率と牛の種および性との関係は明らかではなかった.