1992 年 45 巻 10 号 p. 775-778
てんかん様発作を繰り返しているパグ, 雌, 5歳の治療経過観察のため脳波を記録した. その間に10Hz, 10secの間歇的光刺激による賦活を試みたところ後頭部優位に出現すべき光駆動反応が右後頭部には認められなかった. また, 数回の反復刺激により約5秒間持続する光けいれん反応と思われる異常波が誘発された.
臨床上健康な対照犬では8-10Hz, 10secの刺激で後頭部優位に光駆動反応が認められたが, 反復刺激による異常波の誘発は認められなかった.
光刺激による異常脳波の賦活は潜在的に発作性疾患を有する犬の診断および治療効果の判断に有効な場合があると考えられる.