日本獣医師会雑誌
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第四胃変位における回復牛と予後不良牛の臨床経過ならびに臨床検査所見の比較
和田 恭則武藤 眞松浦 健二
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1993 年 46 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

臨床獣医師が第四胃変位と診断し, 加療後重症と判断した乳牛 (ホルスタイン種) 47頭に補液を主とする治療を行った後, 大網右腹壁固定術を実施した.今回は消化器の捻転を伴った7頭を除いた40頭について調査し, 29頭が回復し11頭が予後不良であった.予後不良の原因や予後の指標を探るため臨床経過, 臨床検査および病理解剖所見を検討した.予後不良群は回復群に比べ初診時に臨床症状が重度であり, 血中尿素窒素, 総ビリルビン, 無機リンが高く, アルブミン, A/G, カリウムが低かった.予後不良群は手術後に好中球数, 血中尿素窒素, アルカリフォスファターゼが高く, リンパ球数, アルブミン, A/G, 総コレステロールが低かった.病理解剖所見では腹膜炎, 第三胃炎, 胸膜肺炎, 脂肪肝がみられた.以上の成績から初診時, 手術後のいくつかの臨床検査所見が予後の指標として示唆された.

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