1993 年 46 巻 11 号 p. 920-924
運動失調ならびに視力低下がみられた2.5ヵ月齢のホルスタイン種雄子牛について脳波測定ならびに病理学的検索を行った. 覚醒期脳波は記録全般をっうじて高振幅 (40~120μV) 徐波の優勢なパターンを示し, 一時的にほぼ正常なパターンを示すこともあった. 睡眠期には200μVを越える高振幅徐波が出現した. 音刺激に対しては無反応であったが, 光刺激に対しては反応が認められた. 病理学的には中枢神経系の広範な領域に著しい海綿状変性がみられた.