日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
犬の脳浸潤をともなう多中心型リンパ腫の1例
親泊 宜子杉本 美紀内田 和幸永延 清和勝山 綾子江副 洋二郎小川 博之長谷川 貴史
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 51 巻 12 号 p. 732-734

詳細
抄録

多中心型リンパ腫 (ステージV) と診断されたパグ犬 (雌, 2歳6カ月) に多剤併用化学療法を実施したところ, 腫大体表リンパ節は縮小し, 各リンパ節における腫瘍細胞の変性・壊死が認められたが, 治療開始後23日から後弓反張をともなう全身性痙攣発作が認められ, 10日後に死亡した.大脳および小脳の軟膜下と血管周囲には腫瘍細胞の著しい浸潤・増殖が観察され, 中枢神経系組織における腫瘍細胞の増殖は化学療法により抑制されないことが示唆された.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top