1998 年 51 巻 12 号 p. 735-738
食欲不振と削痩を主訴とした猫 (雑種, 雄, 9歳) で, 触診により腹腔内に腫瘤 (径約4cm) を認め, X線検査により局所腸管の右側上方への変位と腸管内ガス貯留が認められた.開腹により, 腸間膜リンパ節腫大と回腸 (2ヵ所) に硬い腫瘤を認め, 腸間膜リンパ節を含む小腸の広範な切除を行い, 病理組織学的にglobule leukocyte tumor (GL腫瘍) による腸閉塞と判断された. 術後の経過は一時期順調であったが, 術後5ヵ月に腹水貯留を認め, 術後6ヵ月に死亡した.