1998 年 51 巻 2 号 p. 76-79
流死産発生率が年間20%以上の農場で, 流死産歴を持つ母牛のNeospora caminum抗体 (間接免疫蛍光法) 陽性率は82.4%, 同居母牛では55.6%, 育成子牛では50%であり, 流死産未経験母牛の抗体陽性率 (23%) に比べて高かった (P<0.01). 抗体陽性の流死産経験母牛の50%に流死産が再発した. 流産胎子には病理組織学的に壊死をともなう非化膿性脳炎, 心筋・骨格筋炎および肝炎が認められ, 病変部にはN. caninumのシストとタキゾイトが免疫組織化学的に検出された.