1998 年 51 巻 8 号 p. 417-420
臨床的にアリューシャン病 (AD) と診断された10例 (アリューシャン系9例, 非アリューシャン系1例) および健康なアリューシャン系1例のミンク (6~18カ月齢), 計11例の肝内胆管について, 病理組織学的に検討した. AD例の肝臓に共通して胆管増生と形質細胞増殖がみられたが, 増生胆管の上皮細胞は病理組織学的に正常肝内胆管に類似し, 免疫染色ではcytokeratin 18に陽性であった. しかし, AD例の増生胆管上皮細胞は抗ヒト癌胎児性抗原陽性を示し, 電子顕微鏡的には著しく変形して不規則な管腔を備える腺管構造を形成していた.