2種のヤブカ属の蚊におけるアカバネウイルス媒介能を明らかにするため, そのウイルス保持期間と吸血間隔を調べ, 伝達試験を行った. ウイルス混合血液を吸血させて2日間飼育したヒトスジシマカでは頭胸部からウイルスが検出されたが, ヤマダシマカでは検出されなかった. ヒトスジシマカの未飽血個体ではその約70%の個体がウイルス保持期間内の吸血後2日に再吸血した. ウイルス混合血液を吸血したヒトスジシマカによる子牛へのウイルス伝達試験では, 子牛のウイルス中和抗体価の上昇は認められず, ヒトスジシマカのアカバネウイルス媒介は確認できなかった.