1999 年 52 巻 2 号 p. 109-113
1996年10月に台湾から輸入された同腹幼若犬が名古屋空港を経て車で東京に到着後3~5日に5頭中4頭が無症状で突然死した. 剖検された死亡例1頭に顕著な肉眼的所見はみられなかったが, 病理組織学的には左肺に軽度の巣状炎症, 細気管支の粘膜上皮細胞の変性と円形細胞浸潤, 肺胞内へのリンパ球および好中球の浸潤がみられ, 扁桃および左肺から犬アデノウイルス2が分離された. 分離ウイルスE1領域のPCR増幅, Hae III切断パターンは日本の野外分離株のそれと一致した.