日本獣医師会雑誌
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急性胃腸炎患者集団発生例からの小型球形ウイルス (SRSV) 遺伝子の検出
柿島 安博杉枝 正明中島 節子
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キーワード: 制限酵素, RT-PCR, SRSV
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1999 年 52 巻 2 号 p. 120-124

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抄録

1996年3月, 静岡市において集団発生した急性胃腸炎患者の糞便からRT-PCR法により小型球形ウイルス (SRSV) 遺伝子が検出され, 有意の細菌あるいはロタウイルス, アデノウイルスなどは検出されなかった. PCR産物の制限酵素解析により, Norwalk virus (genogroup I) およびSnow Mountain agent (SMA)(genogroup II) 様ウイルスの混合感染が示唆された. また, 検出されたSRSV遺伝子の塩基配列解析によりgenogroup IIに属する感染株はOTH/89/J類似のウイルスと推察された. SRSV遺伝子のRT-PCRによる検出に最も適していたプライマーの組み合わせは, 1stプライマーとして35/36, NestedプライマーとしてNV81/NV82, SM82であった.

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