日本獣医師会雑誌
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Demodex canisと未同定種との混合感染による犬毛包虫症の1例
田村 幸生森安 功川村 陽子井上 勇石野 清之
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2000 年 53 巻 10 号 p. 676-678

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抄録
1997~1998年の1年間に来院した犬103頭について毛包虫の感染状況を調査したところ, 脱毛, 紅斑, 脂漏, 膿皮症を認める2歳9ヵ月, 雄のヨークシャー・テリアの皮膚にDemodex canisと未同定種毛包虫が同時に検出された. 未同定種は体長98~168μm (平均139μm), 脚体部55~100μm (平均83μm), 後胴体部40~68μm (平均56μm) で, 後胴体部はD. canisと比較して著しく短く, 末端は鈍形であった. イベルメクチン0.05ml皮下注射, 過酸化ベンゾイル2.5%, 硫黄粉末2%溶液とアミトラズ700倍溶液によるシャンプーを2週間間隔で実施し, さらにセファロスポリン250mgカプセル4分の1量を12時間間隔で投与したが, 治療開始3ヵ月後でも毛包虫は検出され, 皮膚病変の改善は認められなかった. そのため全身を剪毛し, 上記シャンプーを週1回行い, ミルベマイシンオキシム2.5mg錠を1日1錠経口投与し, さらに局所にフィプロニールの塗布を行ったところ, 2ヵ月後には虫体は陰性となり臨床症状も消失した.
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