日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
離乳日齢の異なる子豚からの病原体の分離
浅井 鉄夫岡田 宗典森 正史並松 孝憲大角 貴幸
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 54 巻 5 号 p. 353-357

詳細
抄録

母豚700頭を飼養する一貫生産農場から, さまざまな日齢 (10, 15, 17, 20, 23, 24および25日齢) で離乳した子豚を無菌空調の隔離施設へ導入し, オーエスキー病ウイルス (ADV), 豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス (PRRSV), Mycoplasma hyopneumoniae (Mhp), Bordetella bronchiseptica (Bb), Pasteurella multocida (Pm) およびActinobacillus pleuropneulnoniae (App) の汚染状況を調査した. 病原体が分離された最も早い離乳日齢は10日齢で, 病原体はADV, PRRSVおよびMhpであった. また, Pmは17日齢離乳豚から分離された. AppとBbは分離されなかった. 分割早期離乳 (SEW) では, 離乳日齢は除去対象となる病原体ごとに設定されているが, 今回の試験結果から病原体の分離される日齢は, 農場の衛生状況によって異なり, 現行のSEWで設定されている離乳日齢で病原体が排除できない場合が示された.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top