日本獣医師会雑誌
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北海道根室管内の217乳牛群における死廃・病傷事故と乳量水準および飼養形態との関連
扇 勉八田 忠雄
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2001 年 54 巻 9 号 p. 667-672

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抄録

北海道根室管内の217乳牛群において農業共済成績および乳牛検定成績に基づき, 死廃・病傷事故および平均産次と, 乳量水準 (年間経産牛乳量) および飼養形態 (繋ぎ方式およびフリーストール方式) との関連を検討した.高泌乳群は平均産次が低く, 除籍率も高かったが, 体細胞数は少なく, 空胎日数も短い傾向にあった.死廃事故被害率は乳量水準および飼養形態の違いによる差は少なかった.病傷事故被害率は高泌乳群が低泌乳群に比べ高く, 繋ぎ方式がブリーストール方式に比べ高かった.高泌乳群では乳房炎, 第四胃変位, 胃腸疾患およびケトーシスの病傷事故被害率が高かった.また, 繋ぎ方式では乳房炎, 乳頭損傷および卵巣疾患, フリーストール方式では第四胃変位および乳熱の病傷事故被害率が高く, それぞれ飼養管理との関連が示唆された.

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