日本獣医師会雑誌
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豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス実験感染豚におけるウイルスおよび抗体の長期推移
柴田 勲矢澤 慈人森 正史
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2001 年 54 巻 9 号 p. 663-666

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抄録

豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス (PRRSV) 実験感染豚における血清抗体の長期推移を, 間接蛍光抗体法 (IFA), enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) および中和試験を用いて感染後30週まで調べた.感染後最も早期に抗体を検出できた検査法は抗豚IgM-標識抗体を用いたIFA (IgM-IFA) で, 感染後1週ですべての豚が陽性となった.protein A-標識抗体を用いたIFA (Protein A-IFA) およびELISAでは1~2週で全頭陽転した.中和試験では個体差が認められ, 8~10週で初めて抗体が検出された.各抗体価は最高値に達した後徐々に低下したが, ProteinAIFAおよびELISAでは試験終了時の30週まで抗体が検出された.一方, IgM/IFAでは6~7週以降抗体は検出されなかった.ウイルスは接種群および同居群の血清からそれぞれ接種後2~42日および7~49日に分離された.

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