2002 年 55 巻 2 号 p. 95-98
歯肉口内炎のため採食時の疼痛が著明で, 内科治療を行っていた猫14頭に対し臼歯部全抜歯を行った. 肉眼的に口腔内の炎症が消失したものは5/14頭 (35.7%), 採食時の疼痛が消失したものは6/14頭 (42.9%) であった. 症状の改善傾向がみられたものを含めると肉眼的には71.4%(10/14頭) で, 採食時の疼痛に対しては64.3%(9/14頭) で効果がみられた. しかし術前に歯肉口内炎が重度であったものや, 猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルス陽性のものでは治療効果が低い傾向がみられた.