2002 年 55 巻 9 号 p. 584-586
一貫経営養豚場において8週齢頃から, 発育不良を呈し, 衰弱死する豚が5~10%発生した.2000年5月に発育不良豚2頭を病性鑑定した.呼吸器症状などは特に認めなかった.剖検では肺に水腫を認めた.組織学的には, 問質性肺炎がみられ, 肥厚した肺胞壁には好酸性泡沫状物が密着していた.泡沫状物はPneumocysitis carinii免疫染色で陽性であった.豚サーコウイルス2型 (Porcine circooirus type 2: PCV-2) 免疫染色で, リンパ節のリンパ濾胞に陽性抗原を検出した.PCRでPCV-2固有の核酸を扁桃および脾臓から検出した.本症例をPCV-2感染に伴うP.carinii肺炎と診断した.