日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
低蛋白食による猫の慢性腎不全の進行抑制
澤嶋 効澤嶋 裕子志鷹 秀俊工藤 忠明黒澤 努
著者情報
キーワード: 慢性腎不全, , 低蛋白食
ジャーナル フリー

2002 年 55 巻 9 号 p. 591-595

詳細
抄録

低蛋白食の猫の慢性腎不全進行抑制効果を検討した. 診断時の問質α-平滑筋アクチンの発現量より, 腎機能の低下が予測される初期慢性腎不全15例を用いた. 食餌を低蛋白食に切り替えることのできた猫は8頭で, 残り7頭は通常蛋白食のままであった. 診断時の各検査項目に両群問に統計学的に有意差はなかった. 1カ月ごとに体重と腎機能を評価し, 1年間経過観察した. 低蛋白食は通常蛋白食に比較し, 体重の低下と腎機能の低下を有意に抑制した. 以上より, 低蛋白食は猫の腎不全の進行を予防・抑制し, 臨床的な症状の発現を抑制すると考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top