日本獣医師会雑誌
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猫の急性単球性白血病の1例
田辺 茂之宇塚 雄次古岡 秀文古林 与志安大池 三千男更科 孝夫
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キーワード: , 化学療法, 単球性白血病
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2002 年 55 巻 9 号 p. 596-600

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抄録

雑種の雌猫が元気消失および食欲低下を主訴に来院した. 血液検査にて非再生性貧血が認められ, 2核赤芽球や巨大血小板などの異形成所見, 類円型の核小体明瞭な多数の大型の細胞が存在した. 末梢血猫白血病ウイルス抗原は陽性であった. これらの芽球は非特異的エステラーゼ染色で陽性を示し, この反応はフッ化ナトリウムにより阻害された. 本症例に対して, 積極的な輸血療法およびプレドニゾロン療法を行い, 2カ月後に, 末梢血腫瘍細胞数の増加が認められたため, L-アスパラギナーゼ, ビンクリスチン, サイクロホスファマイド, アドリアマイシンを投与し維持した. 治療開始後の骨髄検査により, 本症例をFAB分類に基づき急性単球性白血病と診断した. 治療開始後200日目に死亡した.

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