日本獣医師会雑誌
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鹿児島県内における牛ネオスポラ症の疫学的調査
山村 拓上村 俊一浜名 克己津田 知幸安田 宣紘
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2003 年 56 巻 10 号 p. 645-648

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抄録

鹿児島県内で牛ネオスポラ症の可能性が疑われる黒毛和種41例, ホルスタイン種39例の抗体検査を実施した.その結果, 黒毛和種は全例とも抗体陰性であったが, ホルスタイン種では28.2%が陽性であった. 陽性牛が見い出された2農家 (A, B) においてそれぞれ225例, 58例を対象に追跡調査を行ったところ, それぞれ23.6%, 29.3%の牛が陽性であった.農家Aにおける母娘問の調査では, 62.5%が垂直感染の可能性を示し, 水平感染も否定されなかった. また調査期間中の死流産22例中54.5%の母牛がネオスポラ抗体陽性であった.農家A, Bを含む3戸の犬9例のネオスポラ抗体を調査したが, すべて陰性であった.さらに, 農家Aの流産胎子2例を組織学的に検査したが, ネオスポラ感染を示す病変は得られなかった.

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