鹿児島県内で牛ネオスポラ症の可能性が疑われる黒毛和種41例, ホルスタイン種39例の抗体検査を実施した.その結果, 黒毛和種は全例とも抗体陰性であったが, ホルスタイン種では28.2%が陽性であった. 陽性牛が見い出された2農家 (A, B) においてそれぞれ225例, 58例を対象に追跡調査を行ったところ, それぞれ23.6%, 29.3%の牛が陽性であった.農家Aにおける母娘問の調査では, 62.5%が垂直感染の可能性を示し, 水平感染も否定されなかった. また調査期間中の死流産22例中54.5%の母牛がネオスポラ抗体陽性であった.農家A, Bを含む3戸の犬9例のネオスポラ抗体を調査したが, すべて陰性であった.さらに, 農家Aの流産胎子2例を組織学的に検査したが, ネオスポラ感染を示す病変は得られなかった.
抄録全体を表示