2003 年 56 巻 10 号 p. 657-660
生存して娩出されたホルスタイン種子牛で, 脊椎奇形と四肢の両側性湾曲がみられた. 患畜は雌, 体重34kgであり, 起立出来なかった.剖検および骨学的検査によって, 2カ所の椎骨の癒合, 3カ所の椎体の片側欠損, 1カ所の椎体の全欠損, 3カ所の棘突起の癒合, および左右中足骨の対称性の捻転が認められた. DNAマーカー診断の結果, 患畜は牛複合脊椎形成不全遺伝子の劣性ホモ接合体であった. 以上の結果から, 本症例は, 牛複合脊椎形成不全症と診断された.