2005 年 58 巻 7 号 p. 470-472
繁殖用黒毛和種牛における白線離開病変の発生要因を明らかにする目的で, と畜場から採取した繁殖用黒毛和種牛39頭の右前後肢156蹄を用いて白線離開病変の発生率を比較した. また, 白線離開病変の発生と関連する因子を抽出するために, 年齢, 体重および蹄の形状を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った. 前後肢内外すべての蹄において, 白線離開病変の発生率 (26~32%) に差はなかった.蹄背壁長が85mmを超える蹄では, 85mm以下の蹄に比較して白線離開病変の発生リスクが6.51倍高かった. 繁殖用黒毛和種牛の白線離開病変は, 蹄背壁長の過剰成長に起因した白線部の開大や脆弱化と関連することが示唆された.