日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
乳牛の血清ビオチン濃度と蹄病発生状況に及ぼすビオチン含有ブロック剤給与の効果
味戸 忠春角田 元成畠山 直一郎小野 秀弥植松 正巳佐藤 繁
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 60 巻 1 号 p. 37-42

詳細
抄録

乳牛217頭を用いてビオチン含有ブロック剤 (1kg中にビオチンを300mg含有するHBFBまたは100mg含有するLBFB) を1年間給与し, 血清ビオチン濃度と蹄病発生状況を検討した. 血清ビオチン濃度 (pg/ml) は, HBFB群で給与開始前の589±432から1年後の1, 101±1, 058に, LBFB群で473±250から667±554に有意 (それぞれP<0.001, P<0.05) に上昇した. HBFB群 (121頭) の蹄病牛頭数は, 給与開始前の62頭 (51.2%) から1年後の25頭 (20.7%) に有意 (P<0.001) に減少した. また, HBFB群における1年後の新たな蹄病発生は59頭中8頭 (13.6%) とHBFB非給与群の54頭中17頭 (31.5%) と比べて有意 (P<0.05) に少なかった. その結果, HBFBの給与により, 血清ビオチン濃度は上昇し, 蹄病牛頭数の減少, 蹄病の発生予防に有効であることが確認された.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top