日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
動物園動物の血清診断におけるプロテインGの有用性とアジァゾウにおけるELISA法の確立
下沢 健太郎三澤 尚明
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 61 巻 1 号 p. 75-78

詳細
抄録

ELISA法は迅速・簡潔な感染症診断のスクリーニング法として有用な手法であるが, 多くの動物園動物のELISA法は確立されていないのが現状である. 本研究では, IgG結合蛋白質であるプロテインGがELISA診断に応用できるかを検討するため, 動物園動物の血清とプロテインGとの結合性を調べた. その結果, 強い結合性を示す動物種がいる一方, 有袋目・ネコ科食肉目・アジァゾウなど低い反応性を示す種が認められた. このことからプロテインGはすべての動物園動物のELISA診断法に応用することができないことが示唆された. そこで, アジアゾウの血清からIgGを精製し, 家兎免疫血清を作製してアジアゾウのIgGを検出できるELISA診断系を確立した.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事
feedback
Top