ELISA法は迅速・簡潔な感染症診断のスクリーニング法として有用な手法であるが, 多くの動物園動物のELISA法は確立されていないのが現状である. 本研究では, IgG結合蛋白質であるプロテインGがELISA診断に応用できるかを検討するため, 動物園動物の血清とプロテインGとの結合性を調べた. その結果, 強い結合性を示す動物種がいる一方, 有袋目・ネコ科食肉目・アジァゾウなど低い反応性を示す種が認められた. このことからプロテインGはすべての動物園動物のELISA診断法に応用することができないことが示唆された. そこで, アジアゾウの血清からIgGを精製し, 家兎免疫血清を作製してアジアゾウのIgGを検出できるELISA診断系を確立した.