日本獣医師会雑誌
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牛ウイルス性下痢ウイルス汚染豚房における牛ウイルス性下痢ウイルス感染試験
高久 英徳大和田 真紀宮根 和弘斎野 仁畠間 真一
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2008 年 61 巻 5 号 p. 367-371

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抄録

牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) に汚染された環境に豚を搬入することにより, 豚へのBVDV感染が成立することを調べるため, 感染試験を実施した. 試験1群および試験2群はBVDV野外株細胞培養上清およびPI牛から採取した尿を豚房床および飼料に散布し, そこへ豚を搬入した. 試験2群には上記に加えてBVDV液を強制的に経口接種した. また, 陽性対照群にはBVDV液を筋肉内接種, 陰性対照群にはBVDVを含まない細胞培養液を豚房床に散布した. 試験開始後3~14日目に, 陰性対照群以外では血清中からBVDVが分離され, 14日目以降にBVDV中和抗体の上昇が認められた. これらのことから, BVDVに汚染された環境は, 豚へのBVDVの感染源となることが示唆された.

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