抄録
宮崎県下2か所の飼育場における七面鳥計50羽の気嚢炎・気管・眼窩・口腔・総排泄孔から, 総計86株のマイコプラズマが分離された. これらは血清学的に, M. meleagridis46株, M. gallinarum4株, D群5株, I群15株に同定され, 16株は同定不能であった. さらに東京都下の一飼育場の3羽中2羽の七面鳥の口腔から分離されたマイコプラズマ4株中1株はM. meleagridis, 3株はI群と同定された. M. meleagridisはフオスファターゼ産生能とアルギニン分解能が陽性で, これらの性状は他の鳥類由来マイコプラズマとの識別上重要である. ひなの流通経路から, M. meleagridisは本邦において広範囲に飼育場を汚染していることが推定される.