外見上健康なヤギ62頭(3飼育場)およびヒツジ11頭(1飼育場)の口腔, 鼻腔, 眼, 直腸, 包皮, 膣からのUreaplasmaの分離をおこなった. Ureaplasmaは, ヤギの包皮(6/16, 37.5%), 膣(18/46, 39.1%)から, ヒツジの包皮(1/5, 20%), 膣(2/6, 33.3%)から分離されたが, その他の検索部位からは分離されなかった. 発育阻止試験ならびに代謝阻止試験により, 分離株の性状を血清学的に比較したところ, ヤギ由来23株は単一の血清群を形成し, ヒツジ由来21株は20株を含む1群と, それとは抗原的に異なる1株に分かれた. さらに, ヤギおよびヒツジ由来の両血清群は共通抗原を持つことが判明した. ヒツジ由来の特異な1株は, ヤギ由来株とも血清学的に異なっていた. 一方, ヤギおよびヒツジ由来Ureaplasmaは, ヒト, ウシ, イヌ, サルならびにトリ由来Ureaplasmaと血清学的関係が認められなかった. ヤギとヒツジ由来株が抗原的類似性を示したことは, ヤギおよびヒツジにおいて, Ureaplasmaの宿主特異性は例外であることを示唆している.
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