日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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イヌの白血球型に関する研究 : 同種皮膚移植および妊娠により得られた細胞障害性抗体の血清学的特異性について
江島 博康黒川 和雄阿部 恒夫池本 卯典
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1980 年 42 巻 1 号 p. 83-88

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抄録
本研究は同種皮膚移植免疫によって得られた抗DLA抗体と妊娠中のイヌ血清から得られた抗DLA抗体についてその特異性を血清学的に検討したものである. 用いた9種の抗体は同腹ビーグル17頭の同種交換皮膚移植免疫により得られた8種と妊娠中のイヌ血清の1種である. 各抗体の検出はリンパ球細胞障害性試験により行った. また, それぞれ相補性を有するリンパ球に対する抗体価は4~512倍であった. これらの抗DLAについて40例のリンパ球に対するセログラムを観察し, それにもとずいてX2値を算出して特異性を検討した. 抗DLA-J1-J2, -J1-J8, -J2-J8のX2値はそれぞれ6.2, 4.0, 7.3, 抗DLA-J3-J6では4.8であり, 抗DLA-J1はDLA-J2, -J8と抗DLA-J3は抗DLA-J6とほぼ同一の系に属する抗体と推定された. 従って, 作製した9種の抗体はその特異性からDLA-J1-J2-J8, -J3-J6, -J4, -J5, -J7および-J9の6種に分類された.
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© 社団法人 日本獣医学会
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