1980 年 42 巻 2 号 p. 259-261,263
ランドレース種, 2歳, 体重230kgの雌豚の肝, 腸間膜リンパ節およぴ両側の腎に病巣が認められた. 腫瘍細胞は, 低分化型リンパ球性細胞より成り, 組織学的には特徴的な結節性増殖を呈し, 結節性低分化リンパ球型悪性リンパ腫と診断した. 肝, 腸間膜リンパ節腫瘍組織の濾胞類似構造を呈する部分において, いわゆるsmall cleaved cellが約25%程度と少数にも拘らず濾胞様構造が良く保持されており, 今後ブタ悪性リンパ腫の特性を検討して行く上で留意して置く必要があると考えられた.