抄録
台湾産スイギュウ(Bubalus bubalis)29頭より得たルーメン内容に見いだされる繊毛虫の種類構成について調査した結果, Entodinium属の4種の新種を認め, それぞれE. ogimotoi sp. n., E. bubalum sp. n., E. fujitai sp. n., E. tsunodai sp. n.として記載した. E. ogimotoiは長方形を呈し, 後部に2個の扁平な三角形のlobeを有する. 細胞肛門は正中線より大核側に位置する. 体長30-47μm. E. bubalumは卵形ないし長円形で, 体後端中央部に密接して存在する比較的短い2本の尾棘を有する. 体上部右側の尾棘は体下部左側のものより小さい. 体長25-45μm. E. fujitaiは非対称の外形を呈し, 体右側は凸面を描くが, 体左側はへこむ. 体後端に太く短い2本の尾棘を有し, 左側のものは強く湾曲する. 体長23-32μm. 本種はE. gibberosum Kofoid et MacLennan, 1930およびE. triangulatum Dehority, 1979に極めて類似するが, 前者とは大核が短く, 大核前端にくぼみがない点で, 後者とは外質の三角形のくさび状突起がない点で異なる. E. tsunodaiは卵円形を呈し, 体後端に4本の尾棘をもつ. これらのうち, 1本は体左側に, 1本は体右側に, 他の2本は体中央部に存在し, 中央部の1本が最も長く, 他の3本はほぼ同じ長さである. 本種はE. indicum Kofoid et MacLennan, 1930と類似するが, 尾棘の数および収縮胞の位置が異なる. 体長28-40μm. またDogiel(1928)が, トルキスタンのスイギュウで記載したIsotricha bubaliは, その後報告が見られなかったが, 今回の検索では41.4%のスイギュウから見い出された. しかし, 形態学的検討の結果, Isotricha属とは異なる形質が多いことから, 新たに新属Oligoisotrichaを設け, Oligoisotricha bubaliとして再記載した.