日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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イヌ・パルボウイルスの分離, 実験感染および血清学的研究
畔高 政行平沢 勉小西 信一郎尾形 学
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1981 年 43 巻 2 号 p. 243-253,255

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抄録
出血性腸炎で斃死, または臨床的にイヌ・パルボウイルス感染症を疑われた犬52頭のうち19頭から, イヌ・パルボウイルスがネコ腎継代細胞(CRFK細胞)および同初代細胞培養で分離された. 本ウイルスは糞便および種々の臓器から分離され, 年齢的には必ずしも幼犬に限らず, 成・老犬からも分離され, 犬は本ウイルスに対して年齢に関わりなく感受性を有するものと考えられた. 本ウイルスは血清学的にはネコ・パルボウイルスと全く区別できなかった. また健康な犬3頭における感染実験では, 抗体陰性であった犬の1頭が, 自然感染における重症斃死例と極めて類似した症状を呈し, 6日目に斃死した. 剖検所見では, 腸管のほぼ全長にわたる激しい漿膜・粘膜の出血が認められ, 病理組織学的には, 小腸粘膜上皮の広汎な剥脱・絨毛萎縮・陰窩の拡張と上皮の剥脱および核内封入体が見られた. 369頭の犬血清について本ウイルスのHI抗体調査(一部は中和抗体)を実施した結果, 1978年以前のものは陰性であり, 1979年以降の例では, 本ウイルス感染症を疑わせるもの, およびそれとの接触があったものでは極めて高率に陽性であるのみならず, このような経歴のないものにおいても陽性例が認められた.
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