日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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牛血清ハプトグロビンの定量法と炎症性疾患時における上昇
牧村 進鈴木 直義
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1982 年 44 巻 1 号 p. 15-21

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抄録
Tarukoskiの方法に適切な改良を加え, 牛ハプトグロビン(Hp)の定量法を考案した. 本法は, 稀釈メトヘモグロビン(Hb+)と血清の混合物を pH 4.1 の o-dianisidine 液に37℃ 45分間インキュベートして, HpHb のべルオキシダーゼ活性は維持しつつ, 遊離 Hb の活性をほぼ完全に失活させることによりおこなわれた. 本法は混入 Hb が 150mg/100ml 以下の溶血サンプルでも, 比較的信頼できる測定値が得られた. さらに本法による測定値は, Polyacrylamide-gel disc electropnoresis による Hp の半定量的検出結果とよく一致していた. 何例かの疾病牛への本法の適用では, 乳房炎, 子宮蓄膿症, 創傷性第二胃炎等の激しい炎症性疾患牛で, 血清 Hp の著増 (80-130 mg/100 ml HbBC) を認め, 一方正常健康牛の血清中には, Hpはきわめて僅かかまたは全く検出されなかった.
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© 社団法人 日本獣医学会
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