日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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ワラビのモルモットに対する毒性について
牛島 純一松川 清湯浅 亮岡田 雅昭
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1983 年 45 巻 5 号 p. 593-602

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抄録
ワラビの葉部乾燥粉末を基礎飼料に30%混合するとともに, サイアミン(0.012%), アスコルビン酸(0.01%)を添加し体重200gのモルモット雌雄に自由採食させ, 5-10日間投与(実験A), 20-80日間投与(実験B), および11-15月間投与(実験C)の3群についてワラビの毒性をしらべた. 対照群には基礎飼料に2種のビタミンを同量添加して与えた. 実験Cでは実験期間のうち90-100日間試験飼料を与え, 以後試験終了迄は対照群と同じ飼料を与えた. 実験Aでは膀胱の高度の浮腫と血尿が見られ, 実験Bでは汎骨髄癆が認められ, 血尿も見られた. 実験Cでは生残った全例の膀胱と83.3%の腸に腫瘍性の変化が認められた. すなわち膀胱では67%に移行上皮癌が, 33%に過形成または前癌状態が, また腸では53%に癌が, 13%に癌肉腫が認められ, 一時消失していた血尿が25-38%の動物に再発した.
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