臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
誌上ワークショップ リウマチ看護の工夫と実践
関節リウマチ治療中のWoCBA患者に対する看護師の役割
洲崎 みどり
著者情報
キーワード: WoCBA, Rheumatoid arthritis
ジャーナル フリー

2021 年 33 巻 2 号 p. 159-164

詳細
抄録

 WoCBA(Woman of Child-Bearing Age)とは,出産可能年齢の女性のことを言う.2018年に報告された女性の平均初婚年齢と第一子出産年齢は30歳前後と言われている.妊娠については30歳代後半になると妊孕性が低下すると言われているが,昨今の多様化するライフスタイルの変化による晩婚化があげられているため,不妊の問題が増加傾向である.RAの好発年齢は30~50歳であり,WoCBAでRAを罹患している患者が該当する.しかし,生物学的製剤やJAK阻害剤の登場により,疾患活動性が良好になり,妊娠することへの期待が持たれている.妊娠~出産後のRAに対するケアは,時期によってその都度指導が必要であり,妊娠・出産に対する未知のイメージに加え,病状の変化について指導を行わなければならない.妊娠初期では,RAの悪化に対する不安の軽減,不妊治療の末,妊娠した場合の患者への精神的サポートが必要になる.妊娠中期では,体重増加による関節に与える負担の軽減について説明し,妊娠後期では,出産後の治療開始時期について,特に「授乳」に対する思いについて傾聴することが重要である.出産後,RAの治療を開始するタイミングとともに「断乳」についての指導は必須である.WoCBA世代のRA患者にとって,妊娠・出産をサポートするために,看護師は,医師と患者との架け橋となって支援していく.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top